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3月に中国から一家で滑り込み帰国 自主隔離2週間をしてまで戻った背景 (1/2ページ)

 ギリギリで帰国、隔離要請前に自主隔離

 3月9日、日本政府が新型コロナウイルス感染対策の一環で入国規制を強化する前日に、ギリギリ滑り込みで中国から帰国した家族3人が福岡空港へ降り立った。

 日本人も多く住む中国沿岸都市でスマートフォン向けアプリ開発の会社を経営する日本人男性Tさんと中国人配偶者、3歳児の3人だ。日本政府が中国からの入国者全員に対し、指定場所での2週間の隔離要請と公共交通機関の利用自粛要請を始める直前だった。

 その後、4月3日からは、中国からの入国拒否へとさらに入国規制が強化されたが、Tさん一家がその前の規制強化のタイミングで滑り込み帰国を決めた理由は、すでに発行済みの中国人向けビザが3月9日から無効になる決定を受けてだった。無効となるビザは観光ビザと見られていたが、「現地でも情報が錯綜していて結婚ビザも無効になる可能性もゼロではないと思い、妻を説得して帰国しました」(日本人経営者Tさん)

 Tさん一家は、公共交通機関を使わず福岡空港国際線ターミナルまで親族に車で迎えに来てもらい、帰省先まで移動。その後-まだ隔離要請される前だったが-2週間、自主隔離をした。

 日本と中国、特有の苦悩の中で

 自主隔離が終わる直前の3月20日、Tさんに電話して自粛隔離をした理由を尋ねると-

 「うちは地方の田舎なので近所の目が怖いんですよ。もし、万が一、ふらふら外出していて、うちの誰かの新型コロナへの感染が発覚したら、私の家族もそうですが、隣に住む私の両親もここに住めなくなりますから」(同)

 Tさん一家がきっちりと2週間の自主隔離をしている理由が、日本特有の同調圧力と地方の村八分を恐れてのことだと明かしてくれた。

 元々、子どもの幼稚園入園に合わせて拠点を日本へ移す計画だったらしく、奥さんの結婚ビザ(正確には日本人の配偶者等ビザ)は取得済みで、今年の年末くらいだった予定を半年以上前倒ししての帰国だった。

 Tさんは、現地の日本領事館から次々と発せされる通達を見ていると、日本へ帰国できなくなるのでは…という恐怖心に襲われたという。また、危険な日本へ今のタイミングで移動することに猛反対する奥さんを説得するのが一番大変だったそうだ。

 というのも3月上旬の中国の官製メディアは、「中国は新型コロナウイルスを世界で一番早く克服した。中国共産党の強力なリーダシップの賜物であり、民主主義国家である日本や欧米諸国は政治制度の欠陥が露呈して感染が蔓延している」旨の報道が繰り返されるようになり、日本に対しては、日本政府は情報を隠蔽し、対応も遅い。日本人は危機感が欠落しているなどの日本批判も強めていた。

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