国内

10万円給付に待ち時間6時間超 役所は大混乱 (1/2ページ)

 新型コロナウイルス対策で政府が国民に一律10万円給付する「特別定額給付金」をめぐり、オンライン申請に必要なマイナンバーカードの手続きで市区町村の窓口に住民が殺到している。フロアに人があふれ6時間待ちの状態になる役所もあり、「まるで(密閉、密集、密接の)3密」との声も。土曜日に臨時開庁して対応する役所もあり、混乱状態となっている。

 東京都品川区役所には8日朝から、マイナンバーカードの問い合わせのため住民が続々と訪れ、午前8時半ごろには整理券発行機の前に約130人が並んだ。

 役所内で約6時間も待ち続けた無職の男性(77)は「マイナンバーカードの暗証番号を忘れてしまい再設定のためにきたが、人が多すぎて驚いた」。入力時に暗証番号を間違えて画面にロックがかかり、解除のため訪れたという男性会社員(30)も約5時間半待ち。「昨日も来たが混雑し過ぎて整理券も受け取れなかった。今日もこんなに並ぶなんて」とため息をついた。

 同区によると、前日の7日には同カード関連で訪れた約250人に整理券を配布したが、処理が進まずに約160人が「繰り越し」に。8日も午前9時で受け付けを終了、100人に整理券を配布したが、窓口の待ち時間は最大6時間半に及んだという。

 カードの電子証明書の有効期限が失効し、更新に訪れたという男性会社員(39)は「大行列だったが列の間隔もあいておらず密集状態だった」と不満をあらわにした。

 マイナンバーカードの暗証番号再設定などには総務省が運用するシステムを利用する必要があるが、全国の市区町村からアクセスが殺到しており、対応に時間がかかっているという。区の担当者は「3密対策とともに、予約制の導入が可能かどうか検討したい」と話した。

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