海外情勢

中東で絶えぬコロナ陰謀論 「毒ガス、5G」 ネットや口コミで拡散

 中東アラブ諸国で、新型コロナウイルスの拡大は米国などの陰謀だとの説がインターネットや口コミで流布され、当局が対応に苦慮している。毒ガスや第5世代(5G)移動通信システムが原因との噂に市民が熱を上げ、感染対策に集中できない悪循環だ。

 「(原因は)毒ガスですか、ウイルスですか」。エジプトの首都カイロで先ごろ行われた世界保健機関(WHO)地域事務所の記者会見。地元記者の質問にWHO職員は「もちろんウイルスだ」と真剣な表情で応じた。

 アラブ社会では内乱やテロのたびに米国やイスラエルが黒幕だとの「陰謀論」が繰り返されてきた。教育水準の低さや、強権的な政府に対する不信感が背景にある。

 サウジアラビア紙などによると、米国がアフガニスタンに散布した毒ガスが拡大したとの説や、米国がワクチン利益のためにウイルスを開発したとの説、また中国が5G移動通信システムの電波で被害を与えた説など科学的根拠がない臆測が飛び交っている。

 エジプト当局は虚偽情報に厳しく対処すると表明。クウェートやアラブ首長国連邦なども同様の構えだ。

 エジプトでは感染者が1万人を超えたが、市民の多くは感染防止に必要不可欠なソーシャルディスタンス(社会的距離)を取らずに会話に熱中しており、陰謀論は代表的な話題の一つ。カイロの歯科医、ワグディさんは「西側諸国がエジプトを陥れる目的で感染被害を捏造(ねつぞう)している」と断言した。(カイロ 共同)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus