海外情勢

“悪役”に仕立てる動き強める米政権 「中国のおかしなやつが責任逃れ」

 米経済がリセッション(景気後退)に踏み込み、トランプ大統領の新型コロナウイルス危機対応が共和党政権の存続を脅かす状況の中、大統領と共和党議員らが、中国を悪役に仕立てる動きを強めている。

 大統領は20日夜の一連のツイートで、中国が米国と欧州に対し行っているプロパガンダ攻撃と偽情報の背後には習近平国家主席の存在があると示唆し、中国に対する過激な言葉遣いをエスカレートさせた。

 この中で「それは全てトップダウンによるものだ」と指摘し、2020年大統領選でバイデン前副大統領を勝たせるため、中国が必死になっているとの見解を示した。

 大統領はこれまで、世界経済に打撃を与えている新型コロナのパンデミック(世界的大流行)発生を防ぐ対応を怠ったとして、中国をたびたび非難する一方、習国家主席との関係は引き続き強固だと抜かりなく主張してきた。

 これに対し、中国外務省はトランプ政権がコロナ対応をめぐる失政から目をそらすために、実態を覆い隠そうとしていると反撃。大統領再選の可能性を損なおうとしているというトランプ氏の主張も否定している。

 こうした応酬は米中関係に関する最悪のシナリオを復活させ、40年前の国交正常化以降で最も激しい対立を招きつつある。両国は貿易交渉の「第1段階合意」に署名して以来一息ついていたサプライチェーン(供給網)や、ビザ、台湾の地政学的問題にいたるあらゆる領域の問題で再び衝突している。

 中国国防省は20日の声明で、台湾の蔡英文総統に対するポンペオ米国務長官の祝辞は「極端な間違いであり非常に危険だ」とし、「一つの中国」の原則維持を改めて強調した。

 この数時間後、ホワイトハウスは議会への報告書で中国の経済・軍事政策を幅広く批判。米上院は14日に少数民族に対する人権侵害をめぐり中国当局者に制裁を科す法案を可決したのに続き20日には米証券取引所への中国企業株上場を難しくする法案を可決した。

 また、トランプ大統領はツイッターで、新型コロナで多くの犠牲者が出ていることに触れ「中国のおかしなやつが責任逃れをしている」「中国が世界規模の大量虐殺を引き起こした」と痛烈に批判した。人民日報系の環球時報は胡錫進編集長はこれに先立ち、対話アプリ「微信(ウィーチャット)」で米政府当局を「ならず者」と呼び、10万人以上の米国民の命を軽視していると非難していた。(ブルームバーグ Daniel Ten Kate)

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