海外情勢

中国「全人代」開幕 成長率目標は設定せず、コロナ成果強調

 【北京=三塚聖平】中国の第13期全国人民代表大会(全人代)第3回会議が22日午前、北京の人民大会堂で開幕した。全人代は法律の制定・改正や国家予算の承認などを行う中国の重要政治日程だが、今年は新型コロナウイルス蔓延(まんえん)により例年より約2カ月半遅れでの開催となった。注目された2020年の国内総生産(GDP)の成長率目標は設定しなかった。新型コロナの影響で経済の先行きが不透明なためで、目標設定の見送りは極めて異例だ。

 李克強首相は政府活動報告で「習近平同志を核心とする党中央の力強い指導のもと、国を挙げて広範な人民大衆が壮絶な努力と犠牲を払った結果、感染症対策は大きな戦略的成果を収めている」と強調した。

 全人代では、新型コロナ直撃を受けて急激に悪化した中国経済の立て直しが課題となる。20年1~3月期の実質GDPは、前年同期比6・8%減と四半期ベースで初のマイナスに落ち込んでいる。19年のGDP成長率目標は「6・0~6・5%」だったが、今年は新型コロナの流行により経済の先行きが不透明なため設定を見送るべきだとの意見が出ていた。

 全人代は1998年以降は3月5日に開幕していたが、新型コロナの流行を受けて2月に延期を決めていた。開催期間も例年は10日間程度だが、今年は28日までの1週間に短縮されている。記者会見なども、感染防止のためオンライン対応が中心になる。

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