海外情勢

ロボ銀行員の助言で顧客獲得、新規40%増 ミレニアル世代に人気

 北欧最大級の銀行、ノルデア銀行で、銀行員の業務を自動化した「ロボット銀行員」が、新型コロナウイルス危機下の1~3月期に顧客から多くの相談を受け、導入以来、最高の利用実績を記録した。

 買いあさりの傾向

 同行によると、新型コロナにより市場が最も不安定になった数週間で、ロボット銀行員の新規利用者が平均で前年比約40%増加した。一方、同期の人間のファイナンシャルアドバイザーはほとんど新規利用者を獲得できなかった。

 同行の資産管理部門で共同責任者を務めるターニャ・エロネン氏によると、同行のロボット銀行員「ノラ」はコロナ危機下の銀行業務を支援する上で重要な役割を果たしている。ノラは顧客の行動の「興味深い傾向」をも浮き彫りにしたという。

 25歳から40歳までのミレニアル世代が人間のアドバイザーよりロボットの助言を受けることを好んだ。また、これらの世代は上の世代の投資家よりも「オポチュニスティック(機会主義的)」な買いあさりに走る傾向が強かった。

 これに対し、60歳以上の顧客は相場急落を受け、資産の投げ売りをする傾向にあった。これらの顧客は市場がパニックに陥る中、多少高い手数料を支払ってでも人間のアドバイザーからの助言を希望している。

 ノルデア銀行にとっては、投資初心者の割合が多い若い世代をロボット銀行員が担当したことで、膨大な業務の削減に役立ったという。これにより、経験豊富なアドバイザーは心の込もった接客を必要とする投資家に、より多くの時間を割くことができた。

 ロボット銀行員は約5年前にスカンディナビア地域全体で導入が進んだ。これらのロボットは顧客のリスク選好度を勘案し、利用できる投資のオプションを案内する。一部のロボットは口座管理など、より基本的なサービスを提供している。

 「人々の意識変化」

 ノルデア銀行の「ノラ」、デンマーク最大手のダンスケ銀行の「ジュネ」、スウェーデンのスカンディナビア・エンスキルダ銀行(SEB)の「アイダ」などのロボット銀行員はここ数年間にわたり北欧の銀行業務の一部を肩代わりしている。エロネン氏は「私たちは人間が付加価値を生み出さない業務の自動化を常に追求している」と話した。

 ダンスケ銀行の資産管理部門のシニアアナリストで「ジュネ」のスポークスマンでもあるヤコブ・ウィズベア・ファルケンクロン氏も1~3月期が「ジュネの導入以来で最高の第1四半期となった」と説明した。ジュネは同期に新規顧客を42%増やしたという。

 エロネン氏は「過去数カ月でロボットに対する人々の意識は変化しつつある。今回の危機は顧客をデジタルサービスに取り込むためのきっかけとなった。以前の顧客はこれらのサービスを利用することに消極的だったかもしれない。だが、コロナ禍でデジタルサービスに慣れ親しまざるを得ない状況となったことで、将来の利用の敷居を下げている」と語った。(ブルームバーグ Kati Pohjanpalo、Frances Schwartzkopff)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus