海外情勢

中国が第1弾合意揺さぶる 農産品、米企業にコロナ安全確認を要請

 米中の第1段階の貿易合意に新たな障害が生じている。中国は輸入肉や大豆の国外荷主に積み荷が安全性基準を満たし、新型コロナウイルスに汚染されていないことを証明する文書への署名を求めている。多くの米輸出業者は法的責任を懸念して現時点でこれに応じることに消極的だが、タイソン・フーズは署名したことを認めた。

 中国の新たな要求で出荷が妨げられ、第1段階の貿易合意で中国が約束した365億ドル(約3兆8900億円)相当の農産品購入がさらに遅れる恐れがある。

 世界の主要衛生当局は新型コロナが食品経由ではないと指摘しているにもかかわらず、中国は今回の措置に乗り出しており、その思惑をめぐり疑念が広がっている。また、これは非関税障壁としての機能を果たす可能性もある。中国が過去に米国産トウモロコシやカナダ産キャノーラ(菜種)でも採用したことがある戦術だ。

 TJMインスティテューショナル・サービシズの農業・商品担当マネジングディレクター、クリス・ロビンソン氏(シカゴ在勤)は「買い手側が影響力を探っているだけだと思う」と解説。中国については、「過去にさまざまな『違反』で船積みを取り消してきたことで悪い評判がある」と話す。

 トランプ米大統領は農業従事者を大きく後押しするとして中国との第1段階合意を誇ってきた。11月の米大統領選を控え、中国が駆け引きで状況を乱そうとしている可能性があるとロビンソン氏は語る。

 ただ、中国はブラジルの荷主にも文書への署名を求めており、なぜそれを要求しているのかや今回の措置が貿易制限を目的としたものなのかは依然として不明だ。米農務省にコメントを求めたが、返答はなかった。全米穀物飼料協会(NGFA)はコメントを控えた。(ブルームバーグ I.Almeida、Michael Hirtzer)

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