海外情勢

中国が景気後退入り? 鈍い回復ペースで悲観と楽観の見方交錯

 米調査会社CBBインターナショナルは23日発表したチャイナ・ベージュブック(中国版ベージュブック)で、中国が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停止の影響でリセッション(景気後退)入りしかねないとの見通しを示した。一方、ブルームバーグによるエコノミスト調査では楽観論が優勢で、鈍い回復ペースが続く中、中国経済の先行きに対する見方は交錯している。

 4~6月期縮小なら

 中国経済は1~3月期に前年同期比6.8%減と、記録的なマイナス成長となった。4~6月期の国内総生産(GDP)は7月16日に発表されるが、縮小となれば2四半期連続となり、リセッション入りと判定される。

 中国版ベージュブックによると、4~6月期は新型コロナの感染拡大で混乱が生じた前四半期からは若干改善したものの、製造業の利益、設備投資、小売売上高など主要指標は歴史的な低水準のままで推移し、わずかな改善にとどまった。

 最悪だったのは小売業で、売上高と利益の急減が続いた。一方で製造業は前期比で拡大、サービス業は最も好調だった。

 世界的な需要低迷が引き続き成長の主な足かせとなっており、国際的な影響が大きい地域の低調が目立つ半面、内陸部は国内受注の顕著な増加が追い風になったという。

 CBBは「そのうち成長に戻るとしても、過去の水準近くというわけではない。世界の需要が一段と力強く回復しない限り、四半期ベースで漸進的に改善しても2020年通年では縮小となるだろう」との見方を示した。

 中国版ベージュブックは中国で5月半ばから6月半ばまでに3304社を対象に実施した聞き取り調査に基づいている。

 こうした悲観的見方は、中国経済が4~6月期に成長に戻り、通年では拡大すると予想する多くのエコノミストや政府の予想とは対照的だ。

 ブルームバーグが先週実施した調査では、エコノミストらが4~6月期と20年通年の成長予想を上方修正しており、中国が緩やかな回復軌道にあるとの楽観論の高まりが示唆された。

 同調査によると、4~6月期のGDPは前年同期比1.5%増(中央値)、通年は前年比1.8%増と、リセッションが回避されるとの見通しが示された。5月の調査ではそれぞれ1.2%増、1.7%増が見込まれ、今回はともに引き上げられた。また、鉱工業生産と固定資産投資の拡大ペースの加速が続き、今年下半期にはコロナ禍以前の水準近くに達するとの見通しが示されている。

 再流行が消費の重し

 アクサ・インベストメント・マネージャーズのアジア新興国担当シニアエコノミスト、姚遠氏(香港在勤)は「中国経済の成長モメンタムの回復が続いている。製造業とサービス業の生産がともに成長軌道に戻る中、4~6月期のGDPはプラス成長になるだろう」と話す。

 ただ、需要面の逆風は残っている。雇用の安定への不安や北京市での新型コロナ感染の再流行が消費の重しとなる可能性は高く、エコノミストらは20年は消費の縮小が続くと予想。また、生産者物価の下落が年内続き、需要の欠如で消費者物価は大幅に軟化する可能性があるとの見通しを示している。(ブルームバーグ Sharon Chen、Yinan Zhao)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus