国内

日銀がオンライン見学ツアー 地下金庫や総裁の椅子が目の前に

 日本銀行が東京・日本橋の本店本館のオンライン見学「おうちで、にちぎん」の無料公開をホームページ上で始めた(https://www.boj.or.jp/announcements/education/ouchi.htm)。本館は「日本近代建築の父」と呼ばれた辰野金吾が設計し、明治29(1896)年に竣工(しゅんこう)した国の重要文化財。パソコンやスマートフォンを通して気軽に建物の文化的価値に触れることで、日銀の役割や業務に関心を持ってもらう狙いだ。

 3Dや仮想現実(VR)技術を活用することで、新型コロナウイルスの感染リスクを気にせず、美しい建物を「いつでも、どこでも独り占め」できるようにした。関東大震災の被災を免れた地下金庫のほか、現役時代は極秘にされてきた現金輸送貨車「マニ車」の模型、総裁の椅子、世界初のお札の自動鑑査機、馬の水飲み場-といった「宝物」を見ることができる。スマホとVRゴーグルがあれば、VR体験もできる。

 日銀本店本館の見学は修学旅行生や訪日外国人客に人気で、昨年末の定員充足率は95%に達した。免震化工事と展示内容のリニューアルを経て今春、新しい見学コースを公開予定だったが、新型コロナの感染拡大を受け、3月上旬からは受け入れを中止している。

 このため、日銀はVR革新機構の協力を得て、オンライン見学のコンテンツを制作した。関係者は「全国各地から訪れる修学旅行生や見学者に、重要文化財の本館をお見せすることができない。今できることはないかと考え、企画した」と話している。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus