海外情勢

中国社債デフォルト最高更新か 経済回復に弱さ、市場は選別強化へ

 中国経済の回復の弱さが、4兆1000億ドル(約435兆円)規模の同国社債市場に危険な新局面をもたらしている。

 現在の中国経済は政策担当者が金融支援を巻き戻すには十分な強さだが、最も苦境にある借り手を救うにはなお弱過ぎる状態で、一部のファンドマネジャーは今年のオンショア債のデフォルト(債務不履行)が記録的水準に達すると予測している。4~6月期(第2四半期)に落ち着いていた返済遅延は既に増え始めており、年末までに3兆6500億元(約57兆円)相当の債券が満期を迎える中、借り手への圧力は高まりそうだ。

 SCローウィやアダマス・アセット・マネジメントの債券専門家は中国クレジット市場について、政府の措置によってもたらされた落ち着きが続く可能性は低いとして、選別を強化している。アナリストは借入コストが上昇し、借り換えがより難しくなっていることから、非国営企業や低い格付けの不動産開発業者、一部の地方政府の資金調達事業体(LGFV)が特に脆弱(ぜいじゃく)とみている。

 アダマスのブロック・シルバーズ最高投資責任者(CIO)は「政府には支援する意思も能力もない」と指摘。中国オンショア債のデフォルトが年間ベースで過去最高を更新すると予想した。ブルームバーグがまとめたデータによると、これは年末までにさらに722億元の延滞が生じることを意味する。

 新型コロナウイルスの感染拡大で中国経済が1~3月期(第1四半期)に歴史的な落ち込みとなったことを踏まえると、今年これまでのところ同国のデフォルトは驚くほど少ない。上半期のオンショア延滞は490億元と17%減少。政府が債務の借り換えや支払い遅延の受け入れ、より期限の長い新たな債券との交換といった他の解決策を銀行に促したことも寄与した。

 景気が底を打ち、市場に波及するとの懸念が和らぐ中、デフォルト回避に向けた当局の大規模な取り組みは縮小しつつあるようだ。中国企業の社債デフォルトは7月に104億元となった。8月も高級住宅開発を手掛ける泰禾集団などが債務不履行に陥ったことで、月初からこれまででほぼ同額に達している。(ブルームバーグ Rebecca Choong Wilkins、Jing Zhao)

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