海外情勢

米経済は拡大も伸び緩慢 FRB公表の地区連銀報告、労働市場まだら模様

 米連邦準備制度理事会(FRB)が2日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、経済には前進の兆しが見られるものの、新型コロナウイルスの感染拡大の中でなお厳しい状況が続いた。

 ベージュブックは「経済活動はほとんどの地区で拡大したが、伸びは全般的に緩慢で、活動は引き続き新型コロナがパンデミックとなる前の水準を大きく下回った」「パンデミックに関連した不透明感とボラティリティーの継続、そしてそれが消費者や企業活動に及ぼすマイナスの影響が全国的に共通したテーマだった」などと指摘した。

 労働市場については、回復はまだら模様だったことが示された。「一部の地区は雇用の伸び鈍化や採用活動の不安定さの強まりを報告。これは特にサービス業で顕著だった。需要が引き続き軟調だったことから、一時解雇された労働者が恒久的に職を失うケースが増加した」としている。

 保育施設の確保をめぐる問題も、テーマとして再び登場。ボストン連銀は人材派遣企業からの労働者獲得に関するコメントに触れ、「託児所不足のほか、仕事を持つ親が子供を託児所に預けることをためらっている状況が、雇用者候補の減少につながった」と説明した。

 このほか経済の脆弱(ぜいじゃく)さを指摘する声も聞かれ、財政政策による追加支援が適切となる可能性が示唆された。

 カンザスシティー連銀は「政府の支援が向こう半年に縮小するようであれば、さらなる一時解雇やレイオフが必要になると多くが回答した」と説明した。

 またフィラデルフィア連銀は融資の焦げ付きが増加する可能性を警告。一部の調査先は「賃貸アパートの入居者や小規模事業者の間で、支払い遅延が増え始めた」と指摘。また、ある法律事務所では「大惨事がいつ起きてもおかしくない状況だ」との認識で一致したと記された。

 今回のベージュブックは、8月24日までに12地区連銀が集めた情報を基にミネアポリス連銀が作成した。(ブルームバーグ Christopher Condon、Steve Matthews)

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