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総裁選所見発表詳報(3)石破氏「防災省が必要だと信じている」

 ■石破茂氏 新しい資本主義というものを考えていかねばなりません。地方であり、農林水産業であり、女性であり、サービス業であり、その持てる力を最大限に引き出していかねばなりません。

 21世紀を端的に申し上げますが、世界の人口が倍になる。日本の人口が半分になる。それが21世紀であります。少子化は進み、高齢化は進み、あと20年で、介護にかかるお金2・4倍、医療に関わるから1・7倍、この経済を維持していかなければ、日本の福祉、幸せを維持していくことはできない。

 私は、企業は株主だけのものではない。経営者だけのものではない。従業員であり、家族であり、地域社会のためであり、新しい公益資本主義、これを世界に先駆けて日本は広めていかなければならないと思っております。

 利潤だけを目的とするのではない。日本各地でいろんな取り組みが始まっている。循環型、そして里山の資源。それを最大限に生かしたサブシステムとしての里山資本主義、それを日本から確立をしていきたい。そのように考えております。

 消費性向の高い、所得の低い方々、年収350万、地方で、中小企業で、サービス業で、一生懸命働いておられる方々、そういう方々の雇用と所得、これを増やしていかなければなりません。潜在力を最大限に引き出し、GDP(国内総生産)を維持し引き上げ、「生きていてよかった」「日本に暮らしてよかった」、そう思っていただける方を増やしていきたい。以上が私の歴史認識であります。

 これから総裁選を通じて、各論について、各候補が議論をいたします。どうぞ皆さん聞いてください。国民の皆さま、お聞きください。各論について幾つか申し上げます。

 コロナ対策であります。私は「感染者は増加をしているが、重症者は増加をしていないので、医療現場は逼迫(ひっぱく)していない」、そういう認識には立っておりません。医療現場がどれほど困難な中にあるか。コロナに対応する医療関係者、2倍、3倍のストレスを抱えています。収益は悪化をしています。その中で歯を食いしばって命がけで戦っているのは医療関係者の皆さん方で、それで今日があるのです。医療現場に対する支援を最大限行っていかなければなりません。

 合わせて、守っていかねばならないのは社会なのです。医療か経済、二者択一ではない。守らねばならないのは社会なのであります。だとするならば、経済的支援の拡大と、強制力を伴った措置の導入と、このことは真剣に検討されてしかるべきであります。

 感染が収束したら特措法の改正、その立場に私は立ちません。早期に収束させるために、特措法の改正、そのために政治は政府だけで行うものではない、議会の知恵をいかに借りるか。それが国民に対して政治が果たすべき責任である。そのように考えます。

 災害は忘れる間もなくやってくる。そういう時代です。私は防災省は必要だ、心からそう信じます。日本全国1724市町村。それぞれで防災の体制が違っていいんですか。同じようなスキルを持たねばならないのではないですか。知識は伝承され、継承されねばならんのであって、優秀な人たちが各省庁からやってくる、2年たったら帰る(というのでは)、どうして蓄積と伝承ができるんですか。どうして教育が普及するんですか。

 どこにあっても同じ体制、そして24時間365日防災を考える。そういうような部署、縦割りを排し、日本国のために、絶対に必要なものである。私はそのように固く信ずるものであります。=(4)に続く

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