海外情勢

コロナワクチン試験を中断 英アストラゼネカ「1人に有害反応の疑い」

 英アストラゼネカは新型コロナウイルスワクチンの試験を中断した。試験参加者1人に有害反応の疑いが見られたためだとしている。新型コロナウイルス感染症(COVID19)に対するワクチン開発を急ぐ取り組みに遅れが生じる懸念がある。

 アストラゼネカの発表資料によると、参加者1人に原因不明の疾患の発現が見られた後、ワクチン試験の標準的なレビューに基づいて中断を決めた。試験の完全性を維持しながら安全性データを検証する時間を研究者に与えるためだと説明した。

 同社はこのワクチンを英オックスフォード大学の研究者と共同で開発中。実用化に向けて最も有望なワクチン候補の一つとみられていた。試験中断を受け、8日の米株式市場の時間外取引でアストラゼネカの米国預託証券(ADR)は急落。コロナワクチン開発で競合する他社の一部は株価が上昇した。

 アストラゼネカの広報担当者ミシェル・メイセル氏は発表資料で、「原因不明の疾患が見られた際、調査が行われる間に必要となる所定の措置であり、試験の完全性を保つためだ」と説明。問題について迅速な検証に取り組んでいるとした。

 トランプ米政権の「ワープ・スピード作戦」のチーフアドバイザー、モンセフ・スラウイ氏は、米英のデータ安全性監視委員会(DSMB)がアストラゼネカの「ワクチン候補の徹底的なレビューを行っており、これは臨床試験で有害事象が発生した際の標準的な手続きだ」と電子メールでコメントした。DSMBは外部の専門家から成り、医薬品やワクチンの臨床試験の有害事象を監視している。(ブルームバーグ Riley Griffin、Michelle Cortez)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus