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コロナ禍で懸念される「複合災害」 急がれる中小企業の感染症対策 (1/2ページ)

 【経済インサイド】

 新型コロナウイルスの感染拡大への対応で疲弊する中小企業にとって、秋の台風シーズンが懸念材料となっている。災害からの早期復旧を目指した事業継続計画(BCP)の策定が欠かせないが、中小企業は2割程度しか対応していない。ましてや感染症への対応はほとんど手つかずだ。関係者は、災害と新型コロナが同時に発生した「複合災害」への備えの重要性を指摘している。

 BCPは、災害などの緊急事態が起きた際に備えて、企業の事業方針や対応などをあらかじめ取りまとめた計画のこと。損害を最小限にとどめ、事業活動の早期再開を目指す。2011年の東日本大震災をきっかけに、BCPの必要性が認識された。

 「やらなきゃいけないということはわかっているのだが、地震へのBCPもこれから。感染症対策のBCPなんて想像がつかない」。東京都内のある町工場の経営者はため息をつく。

 新型コロナ感染拡大で、経営者の多くは何らかの対策の必要性を感じているものの、日々の仕事に追われてBCPの策定作業にまで手が回らないのが実情だ。

 台風や地震などの自然災害では、被害の状況が目視できるうえ、広範囲であっても被災地の範囲がある程度特定できる。ただ、今回の新型コロナのような世界的な流行の場合、被災地の範囲の特定が難しく、海外の多くの国でロックダウン(都市封鎖)がなされ、経済活動が一時的に止まってしまった。数カ月から年単位での長期間の計画や、感染症ならではの対応が求められる。

 災害と感染症への備え

 そこで、地方自治体や地域の商工団体は、感染症対策の視点からBCP策定のポイントを専門家が伝授するセミナーを開いている。

 東京商工会議所江東支部(東京都江東区)は、江東区内にある中小企業の自然災害、および新型コロナ対策に向けたBCPの策定を支援するため、「中小企業のための身の丈BCP策定支援事業」を行う。

 7月29日に開いたオンライン形式による1回目のセミナーには、江東区内の企業経営者13人が参加。中小企業向け経営コンサルタントを手がける知的資産経営研究所(川崎市中原区)の長島孝善代表が講師となり、自然災害と感染症では備えるべきポイントが大きく異なることや、事業の中断や縮小による損失への備えなどを訴えた。続いて、自社に新型コロナ感染者が出たことを想定し、感染者の確認からいつまでに、どのような対策を講じるべきかをあらかじめ想定する「新型コロナウイルスBCPタイムライン」策定のコツを伝授した。

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