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コロナに経済すでに正念場 菅内閣、どうする国難のかじ取り

 安倍晋三前首相の突然の退陣に伴い発足した菅義偉(すが・よしひで)政権は新型コロナウイルス対策をはじめ山積する内外の課題が待ち構えている中での船出になった。安倍政権の屋台骨を支えたナンバー2として「火中の栗」を拾った格好だが、菅首相はスタートから難しいかじ取りを迫られることになる。

 「この国難にあたって、政治の空白は決して許されない」。菅首相は16日夜の記者会見でこう述べ、最優先の課題として新型コロナ対策を挙げた。会見では感染対策と経済活動の両立の重要性を改めて強調し、「さもなければ、国民生活が成り立たなくなる」と危機感を訴えた。

 首相はまた、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の継承も掲げた。しかし、新政権では単なるアベノミクスの継続ではなく、コロナ禍の状況に即した果断な見直しも迫られる。

 16日の記者会見では安倍政権が掲げた「自由で開かれたインド太平洋」についても「戦略的に推進する」と説明した。とはいえ、コロナ禍の影響は外交にも及ぶ。

 安倍氏はトランプ米大統領と蜜月関係を築いたほか、「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げて米国以外の各国首脳とも個人的な信頼関係を結んだ。これが「自由で開かれたインド太平洋」の推進力の一つとなったが、コロナ禍で直接対面する首脳外交は制限され、菅首相は各国首脳との関係構築が難しい状況でスタートせざるを得ない。

 北朝鮮による拉致問題も前政権から引き継いだ懸案だ。自民、公明両党が15日に署名した政権合意文書では、これまで盛り込まれた拉致問題に関する項目が抜け落ちていた。不安を残す船出となったが、菅首相はこれを打ち消すように「拉致問題は安倍政権と同様、最重要の課題だ」と強調した。

 一方、野党は安倍政権時代、森友・加計学園問題や「桜を見る会」をめぐる追及による支持率低下を図ってきた。菅首相は安倍内閣の中枢で7年9カ月を過ごしており、野党の攻勢は続くとみられる。菅首相は16日の記者会見で来年の桜を見る会を開催しない方針を示し、公文書改竄(かいざん)などについて「ご指摘のような問題が二度と起こることがないよう、しっかり取り組んでいきたい」と語った。

 「場合によっては貧乏くじかもしれんよ」。第1次安倍政権退陣後を引き継いだ福田康夫元首相はこう漏らしたことがある。野党が参院で多数を握る中で政権運営に行き詰まり、1年後には退陣を余儀なくされた福田氏にとって、まさに「貧乏くじ」を引くような結果だった。

 コロナ禍という国難を前に「逃げてはだめだ」とバトンを引き継ぐことを決意した菅氏は、福田氏の二の舞いを避けることができるだろうか。(大島悠亮)

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