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茨城県内基準地価 TX沿線の需要顕著も、新型コロナで回復やや弱含み 

 茨城県は29日、令和2年の県内地価調査結果(7月1日時点)を発表した。前年まで8年連続の縮小が続いた住宅地と商業地の平均変動率の下落幅は、いずれもマイナス0・7%と新型コロナウイルスの影響で拡大に転じた。工業地を含む全用途の平均変動率もマイナス0・7%に広がった。これまで続いていた地価の緩やかな回復傾向がやや弱含みとなり、県は「新型コロナが地価に与える影響は今後も注視が必要」とした。(永井大輔)

 調査は、住宅地▽宅地見込み地▽商業地▽工業地▽林地-の用途別に、前年と同じ県内540地点で実施した。価格が上昇したのは、住宅地36地点、商業地5地点、工業地15地点の計56地点(前年比25地点減)だった。

 価格が上昇した住宅地の内訳をみると、つくば市(7地点)や守谷市(3地点)、つくばみらい市(3地点)とつくばエクスプレス(TX)沿線が目立ち、東京都心への通勤利便性の高さなどによる人口増や、需要の高まりを反映した。

 商業地でもTX沿線の需要は顕著で、地価が上昇した5地点は、いずれも、つくば、守谷各市のTX駅近接エリア。うち4地点を占めたつくば市の上昇地点は、TXつくば駅、研究学園駅から徒歩圏内で、商業施設や大型マンションの開発が計画されており、繁華性と集客力の向上が見込めることなどから土地需要の高まりが続いている。

 地価最高地点は、住宅地と商業地ともに6年連続でつくば市内で、それぞれ「つくば市吾妻1丁目16番24」、「つくば市吾妻1丁目14番2」と、そろってTXつくば駅周辺地点が占めた。県都・水戸市は商業地の地価上位3、5位にかろうじて入ったものの、住宅地、商業地ともに地価の上昇地点はなかった。

 一方、下落幅が最も大きかった地点は、住宅地が「大子町大字袋田字寺前1490番2」、商業地が「大洗町磯浜町字大洗下より大貫境まで6881番82」だった。

 住宅地では、人口減少や高齢化の著しい進行により、大子町や常陸太田市など県北地域の地点での下落幅の拡大が目立った。

 また、大洗町の下落地点は、ホテルや土産物屋、飲食店が立ち並ぶ海岸付近の商業地域だが、新型コロナの影響で外出自粛の風潮が高まったことや、観光施設の休業、イベントの中止で収益性が悪化したことで土地需要が減退した。

 工業地は、五霞町(2地点)、龍ケ崎市(2地点)、阿見町(1地点)など首都圏中央連絡自動車道(圏央道)近接地域で地価の上昇が際立った。

 新型コロナの影響により、県全体で住宅地や商業地の下落幅が拡大し、工業地も上昇幅が縮小した。だが、リーマンショックによる資金調達環境の急激な悪化や、東日本大震災を受けた災害リスクの高い土地の急激な需要減退と比べると小規模に留まっており、県は「新型コロナが地価に直接的に与える影響はそれほど大きくない」とも分析している。

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