国内

キッチンジローが13店舗閉店 コロナで売り上げ減…客から惜しむ声

 東京都千代田区の神田神保町で昭和39年に創業した洋食チェーン「キッチンジロー」は9月30日、新型コロナウイルスの感染拡大による売り上げの低下を理由に13店舗を閉店した。

 この日が最後の営業となった秋葉原の外神田店にはひっきりなしに客が訪れ、別れを惜しんだ。東京と大阪にある2店舗は今後も営業を続けることが決まっており、同社は「残る店舗で経営を立て直し、復活したい」と意気込む。

 秋葉原のパソコン関連ショップが立ち並ぶ通りの一角にある外神田店は、昭和58年に開業した一番古い店舗で、この地を訪れる人々に人気を博してきた。

 営業最後の日となった30日の午後3時ごろ。ほぼ満席になった店内は一人客がほとんどで、パチパチとフライを揚げる油の音とボリュームを落とした有線の音楽が響く普段と変わらない風景があった。

 10年以上前からこの店に通う船橋市在住の会社員、大村朋(とも)慶(よし)さん(31)は「大学生のころから秋葉原でパソコンのパーツを買った帰りにこの店で食事をしていた。職場も秋葉原なので、長い付き合いです」と笑顔で語る。

 最後の食事に選んだのは、定番メニューのメンチカツとスタミナ焼き。「いつも通りの味だった。当たり前にあった店がなくなるのは悲しい」と通い続けた店の閉店を惜しんだ。

 昭和39年に創業したキッチンジローは、平成30年に西日本最大手のファミリーレストラン「ジョイフル」の傘下となる。コロナの影響で売り上げが減り、ジョイフルも直営200店舗の閉店を発表。キッチンジローは「九段下店」(千代田区)と「中之島フェスティバルプラザ店」(大阪市北区)の2店を除く13店舗を閉店した。

 キッチンジローの山村進代表(44)によると、メインターゲットはサラリーマンや学生などの若者で、オフィス街や学生街を中心に展開しており、コロナによるテレワークやオンライン授業などの影響で客足が落ち、緊急事態宣言を受けた営業自粛もあった4月~5月は売り上げが50~70%減、6月~8月は40%減となった。

 固定費が大きく、経営の効率化のため、13店舗の閉店を決めた。9月にホームページで閉店を公表して、反響が一番大きかったのがこの外神田店で、9月は前年に比べ50%ほど売り上げが増えたという。

 山村代表は「今後、残る2店舗で経営を立て直し、またこの地に戻ってきたい」と言葉に力をこめた。(本江希望)

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