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東証社長、「投資家に迷惑をかけた」と陳謝 機器故障が原因、再発防止で経営責任果たす

 日本取引所グループ(JPX)傘下の東京証券取引所の宮原幸一郎社長は1日、システム障害で株式全銘柄の売買を終日停止したことを受け会見し、冒頭、「多くの市場参加者や、投資家に迷惑をかけたことをおわびします」と陳謝した。システム障害の原因については「ディスク装置のメモリー故障が発生した」と述べ、外部からの不正アクセスではなく、機器の不具合だったと説明。システムを再び立ち上げることで、2日は市場を再開すると強調した。

 東証は1日午前9時の取引開始から全ての売買ができなかった。東証が取引を終日停止するのは初めてで、世界的にも極めて異例の事態だ。宮原社長は1日にシステム再起動を行った場合、「投資家や市場参加者に対し混乱が生じることが想定される」と釈明。国内外の市場参加者と協議したところ、1日に市場を再開した場合、「十分な顧客対応や円滑な売買の実施が難しいとの要請もあり、終日売買を停止した」と説明した。

 経営責任について宮原社長は「市場の運営者として責任を痛感している。ネバーストップ(決して止めない)を合言葉に安定運営を心掛けてきた。多大の迷惑をかけたことを反省している」と述べた。その上で、「再発防止策を講じた上で、経営責任を果たしたい」と述べるにとどめた。

 政府が国際金融センター構想を検討していることに関連し、「資本市場の大きなインフラである取引所で終日停止したことは大変申し訳ない」と述べた。

 システム障害について情報発信が遅れた理由については、「原因の究明に相当時間を費やして慎重にやった。重く受け止め対応する」と語った。証券会社に損失が出た場合の補償については「まずは、再発防止策を講じたい」と重ねて述べるにとどめた。

 また、1日は日本銀行が9月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。宮原社長は、重要な統計結果を受け株式を売買する投資家が多いことを認めた上で、「(投資家に)ご迷惑をおかけした」と反省の弁を繰り返した。

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