海外情勢

主要中銀が財政支援を継続へ 対コロナで政府に訴え、IMFも同調

 世界の主要国・地域の中央銀行当局者は各国政府に対し、債務残高増大をめぐる懸念を当面は脇に置き、経済が新型コロナウイルス禍から完全に回復するまで支出を継続するよう呼び掛けている。

 新型コロナ対策の費用をどう賄うかが問われている一部の国々では、このような訴えに反発も見られつつあるが、過去には緊縮財政の主唱者であった国際通貨基金(IMF)も今では、中銀当局者のこうした主張には一理あるとの立場を明らかにしている。

 IMFのチーフエコノミスト、ギータ・ゴピナート氏は13日、過去何十年ぶりかの深刻な不況からの回復は長くて不確実で、ばらつきのあるものと懸念され、貧困が増えて失業率は高止まりするだろうと警告し、政策当局が支援を引き揚げるのは時期尚早だと語った。

 今週のIMF・世界銀行年次総会に合わせて、中銀当局者は緊迫感を強めて支援継続の必要性を強調。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁はオンラインイベントで、労働者や企業への財政支援があまりにも唐突に打ち切られることが最大の懸念材料だと指摘した。

 米国では新たな財政刺激策の議会協議が数カ月にわたり膠着(こうちゃく)状態にあり、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめとする金融当局者も先週、相次いで同様の訴えを行った。債券購入プログラムの拡充など、金融当局独自の措置では政府支出ほど効果的ではないとしている。

 主要中銀当局者のメッセージは、金融政策で当面支援できることには限界があるというもので、超低金利で借り入れができて、的を絞った迅速なてこ入れのための手段を備えた財政当局が景気回復の仕上げの切り札になるべきだという趣旨だ。

 2018年まで10年近くニューヨーク連銀総裁を務めたウィリアム・ダドリー氏は金融当局の認識について、「もうこれ以上できないというのではなく、これ以上やってもあまり効果が上がらないというものだ。だからこそ財政政策の必要性が語られているのだ」と説明した。(ブルームバーグ Ben Holland、Alaa Shahine)

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