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台湾 電子機器輸出好調も脱中国化が課題

 新型コロナウイルスの影響により世界経済が落ち込む中、台湾の輸出は好調を維持し、2020年8月には過去最高を記録した。9月も3カ月連続で前年実績を上回った。

 この一因は、米国による禁輸措置の厳格化を前に、台湾の輸出の約4割を占める電子機器において、中国企業が台湾から駆け込みで調達を実施したことにある。しかし、ITサイクルが昨年から好転する中で、コロナ禍の特需が加わり、電子機器のサプライチェーン(供給網)において確固たる地位を築く台湾企業が恩恵を受けたことが大きかったと考えられる。

 例えば、半導体の受託製造(ファウンドリー)では、台湾積体電路製造(TSMC)が世界シェアの54%(20年第1四半期)を占めるほか、電子機器受託製造サービス(EMS)においても、世界最大手の鴻海(ホンハイ)精密工業をはじめとする台湾企業が世界の売上高上位10社のうち4社を占めている(19年通期)。

 ただし、IT産業の最終組立地としての中国の存在は大きい。台湾の輸出を国別でみると、中国(香港含む)の割合は4割超に上昇しており、そのウエートは近隣の日本、韓国と比べても高い。

 昨今の米中対立を受けて、蔡英文総統は脱中国路線を明確にしており、中国進出企業の台湾回帰政策を実施している。民間でも、米国の意向を受け、TSMCが米国に1兆円を超える規模の最新鋭工場の建設を決定するなど中国外へのハイテク産業立地の動きもみられる。

 しかし、台湾の中国との関わりは、貿易に限らず極めて複雑・密接となっている。これまでの台湾は、中国との連携から経済的なメリットを得ていたが、今後は、サプライチェーンの脱中国化を進めていくことが課題となってこよう。(編集協力=日本政策投資銀行)

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