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日本が経済大国であり続ける絶対条件「オールジャパンに固執してはいけない」 (1/3ページ)

 バイデン新政権が誕生しても、米中の分断が解消される見込みはない。日本は二大国のはざまでどうすればいいのか。早稲田大学政治経済学術院の戸堂康之教授は「米中の分断が日本に有利に働く要素もある。そのためには企業や大学がオールジャパンに固執せず、多様なネットワークを構築することが欠かせない」という――。

 中国との経済関係につきまとう3つのリスク

 大統領選前から、日本にとって最大の経済的課題の1つは、今後中国と貿易や投資、技術移転などの経済面でのつながりをどうすべきかということであった。中国との経済関係に様々なリスクが伴うことがはっきりしてきたからだ。

 第1に、コロナ前から米中の分断(デカップリング)が進んでいた。アメリカは安全保障上の脅威を理由にファーウェイなど中国のハイテク企業に対する輸出を実質的に禁止し、中国からの投資や中国との技術連携を強く規制したからだ。中国のハイテク企業と多くの取引を行う日本企業もこれらの規制とは無縁ではいられない。

 第2に、コロナ感染初期には中国からの部品の供給が滞り、中国での需要が縮小したことでグローバルなサプライチェーンが途絶して、日本国内の生産に大きな影響が出た。

 第3に、中国との経済関係には常に政治問題に起因するリスクがあることが再認識された。コロナ感染拡大後に、オーストラリアが中国に対してコロナ発生源の調査を要求したことに対して、中国はオーストラリアから大麦、ワイン、牛肉、石炭などの輸入を制限した。このことは、2010年に尖閣諸島沖での中国漁船体当たり事件を契機に、中国がレアアースの対日輸出を規制したことを思い起こさせる。

 これらのリスクは、バイデン新政権になっても変わらない。アメリカの対中強硬姿勢に大きな転換があるとは考えにくい。また、中国もそれに対して強く対抗し続けるだろう。そもそも、米中分断は中国の経済力、軍事力がアメリカに拮抗しようとするところまで迫ってきた中での覇権争いが背景にあり、今後長期にわたって続くと予想される。

 中国依存脱却は「自由で開かれたインド太平洋」がカギ

 これらのリスクは、中国が日本の貿易総額の約2割を占める最大の貿易相手国であることで、増幅されている。リスクを減らすためには、まずは貿易や対外投資における中国依存を減らすべきだ。

 ただし、生産拠点の国内回帰では、国内の大災害によるサプライチェーンの途絶に対応できず、必ずしもリスクを下げることにならない。取引相手の多様化こそがリスクを軽減する。日本はこれまで貿易・投資の関係が必ずしも十分でなかったASEAN後発国やインドをはじめとする南アジア、アフリカ諸国などにも生産拠点や輸出を拡充していくべきである。

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