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食べるイ草で畳業界復興に光、熊本・八代「イナダ」 アイスなど栄養価高く人気

 畳表の原料であるイ草が、栄養価の高い食品として注目されている。イ草の生産量日本一を誇る熊本県八代市のイ草食品メーカー「イナダ」では、乾燥させた粉末を使った商品が好調で、稲田近善常務(46)は「調べるほどに夢がある食材」とPR。需要が落ち込む畳に光を当て、畳業界の復興につなげたいと考えている。

 「たたみアイス」や麺、ふりかけにブレンド茶-。イナダの店舗には、無農薬のイ草を使い、食品会社と開発した商品がずらりと並ぶ。看板商品のイ草粉末は、料理や飲み物などに混ぜ自由に使うことができる。

 同社によると、近年は大学などで研究が進み、食材としての特性が明らかになってきた。ビタミンやミネラル、アミノ酸など38種の栄養素を含む。食物繊維の量は100グラム当たり70グラム以上で、海藻類や葉菜類に比べ突出して多い。妊婦に必要な葉酸も豊富で、イ草麺は産婦人科病院の食事に採用された。リラックス効果のあるさわやかな香りと、ほのかな甘みが特徴。

 食用の商品開発を思い立ったのは1990年ごろ。父、剛夫社長(78)が畳表の織機に使う糸を販売していたが、住宅の洋風化が進みつつあり、畳需要は低迷すると感じた。畳の張り替えサイクルは20年に1回程度だが、食は1日3回。「イ草農家を手助けし、畳の魅力を伝えることにもつなげたい」と考えた。

 だが、地元農家には「イ草の無農薬栽培は難しい」と協力を断られた。それでも可能性を信じ、約2年後、約3000平方メートルの畑で自ら育て始めた。

 当初は「イ草は敷物に使うもの」とのイメージが強く、振るわなかった。しかし食材としての研究が進むと、健康志向を追い風に次第に軌道に乗り始めた。稲田常務は「地域にはイ草栽培の技術と経験がある。基幹産業の復興につなげたい」。

 商品は同社ホームページでも購入できる。問い合わせは同社、0120・193・017。

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