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日銀、5地域で景気判断据え置き 緊急事態宣言再発令で悪化懸念

 日本銀行は14日公表した地域経済報告(さくらリポート)で、全9地域中、関東甲信越など5地域で景気の総括判断を据え置いた。全国に先駆けて新型コロナウイルス感染拡大「第3波」に見舞われた北海道は引き下げた。緊急事態宣言は今後、対象地域が現在の11都府県から拡大したり、期間が延びたりする可能性があり、地域経済には先行き不安がつきまとう。

 景気の総括判断は3カ月前との比較で決める。前回まで厳しい見方をしていた九州・沖縄など3地域は引き上げた。今回据え置きや上方修正となった地域でも「サービス消費を中心に感染再拡大の影響がみられている」(関東甲信越)など、コロナ禍による打撃を警戒する表現が目立つ。

 需要項目別では、個人消費は3地域で引き下げとなった。サービス業は政府の需要喚起策「Go To」キャンペーンの一時停止にも振り回された。

 宿泊業界からは「年末年始の客室稼働率は50%割れと散々な状況だった。その後も緊急事態宣言の再発令によりキャンセルが拡大している」(東京都)といった声が寄せられた。飲食業界も「年末年始の宴会需要はほぼ消失した」(大阪府)と悲壮感が漂う。

 緊急事態宣言の影響について、山田泰弘大阪支店長は「飲食、宿泊、旅行業は今後も厳しい状況が予想される」とした上で、食品業界やクリーニングなど周辺産業への波及を警戒する姿勢を示した。

 一方、生産は全地域で上方修正となった。製造業は自動車を起点に回復の勢いが増す。建設機械や産業用ロボットなど、他分野も回復の動きが広がる。

 ただ、設備投資には依然慎重だ。「自動車関連以外の投資は可能な限り抑制している」(広島県の非鉄金属)、「設備投資は案件を厳選する」(愛知県の輸送用機械)などの声が聞かれた。

 黒田東彦(はるひこ)総裁はこの日の支店長会議で「感染症への警戒感が続く中、先行きの改善ペースは緩やかなものにとどまる」と述べた。日銀は20~21日の金融政策決定会合で、令和2年度の経済成長率見通しを引き下げる方向で検討する。

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