海外情勢

中国原因“いびつな料金” コンテナ争奪が激化、食料品の輸出入が大混乱 (1/2ページ)

 世界で貨物船のコンテナ不足が深刻化し、食料品の輸出入を大混乱させている。新型コロナウイルス禍からいち早く回復した中国が輸出を急増させ、コンテナに莫大(ばくだい)な追加料金を支払い始めた影響で荷動きが停滞。各国の港湾に輸出待ちの食料品が山積されている。

 空の方がもうかる

 各国で貨物船コンテナの争奪戦が激化している。コンテナ不足のためタイはコメを出荷できず、カナダはエンドウ豆の在庫が積み上がり、インドも砂糖の滞貨の山を持て余している。一部の米国の大豆の荷主でさえもコンテナ確保に苦戦し、アジアの買い手の旺盛な需要に応じきれていない。

 アジアから米国向けの食料品貨物を扱う貨物フォワーダー、IM-EXグローバルのロジスティックス担当責任者、スティーブ・クラニッヒ氏は「貨物を仕向け地に輸送することができない状況だ。当社の顧客の一人はタイからロサンゼルス向けに週に8~10コンテナのコメを輸送していたが、現在は週に2~3コンテナしか出荷できていない」と話す。

 中国がコンテナに追加料金を支払い始めた結果、中国からの輸出が完了したコンテナに貨物を積まず空のまま中国に返した方が、はるかにもうかるといういびつな状況が生まれた。

 コンテナ運賃の高騰を受け、一部の食料品価格は値上がりしている。白糖の価格は1月、3年ぶりの高値を付けた。米国の豆類・穀物の業界団体スペシャルティ・ソヤ&グレインズ・アライアンスのエグゼクティブ・ディレクター、エリック・ウェンバーグ氏は「米国からの食品用大豆の出荷の遅延は、アジアの消費者にとっての豆腐や豆乳の価格上昇につながる可能性がある」と指摘する。

 目的地に物資を届けた後、コンテナが空のまま返送されるのは必ずしも珍しいことではない。ただ、本来は海運会社が往路と復路の双方向の輸送料金から利益を得るため、コンテナに荷を詰んでから返送するのが一般的だ。しかし、貨物輸送の仲介会社フレイトスのデータによると、中国発米国向けの運賃が逆方向の約10倍に跳ね上がっているため、定期船は復路で貨物を積むよりも空のまま回送することを選好している。

 ロサンゼルス市港湾局のジーン・セロカ局長は、米国でコンテナ取扱量が最大の同港において、「アジアに戻るコンテナに占める“空コンテナ”の比率は通常50%にとどまるが、現在は75%になっている」と指摘する。

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