海外情勢

「クーデター」表現禁止 ミャンマー国軍、メディア圧力強化

 【シンガポール=森浩】クーデターで実権を握ったミャンマー国軍が国内メディアへの圧力を強めている。通達で「クーデター」という表現を禁じ、従わない場合は、出版などの許可取り消しをちらつかせている。規制に抗議して記者が辞職する例も出ており、国内メディアも混乱が続きそうだ。

 ミャンマー情報省は13日、国内外の記者や報道機関が加盟するミャンマー報道評議会に文書を送り、「不正確な言葉は市民の不安をあおる」と指摘。評議会幹部によると、クーデターを「権力移譲」という言葉に置き換えるよう指示があったという。

 国軍は1日の政権奪取は憲法にのっとった措置と主張している。憲法には「国民の団結が維持できない、または国家の主権を失うような非常事態が起きた場合」には国軍が権力を掌握できるとの規定がある。国軍は昨年11月の総選挙で大規模な不正があったと繰り返し主張しており、「非常事態」に当たると判断している形だ。

 ミン・アウン・フライン総司令官がトップを務める最高意思決定機関「国家統治評議会」は22日の連絡会議で「報道機関を規制するための措置を講じる必要がある」と改めて強調。国軍の意向に従わなかった場合、出版などの許可取り消しを進めるとしている。

 地元メディアによると、地元紙ミャンマー・タイムズでは、経営陣が軍事政権の定めた用語を使うよう求め、反発した10人以上の記者が辞職した。同紙記者の1人は「現在の危機を伝えず、表現が弱められた場合、その報道は意味がない」と述べ、圧力には屈しない姿勢を示した。

 国内では、独立系ジャーナリストやオンラインメディアへの締め付けが強まる可能性も指摘され、反発が拡大している。

 国内では23日も抗議デモが引き続き行われた。22日に全国で数百万人が参加したデモをめぐっては各地で拘束者が相次ぎ、首都ネピドーだけで200人以上に達した。治安部隊とデモ隊の大規模な衝突はなかったもようだ。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus