海外情勢

ニュースに対価支払い義務 豪、世界初の法案可決 

 オーストラリア議会は25日、フェイスブック(FB)やグーグルなどIT大手に対し、国内の報道機関へのコンテンツ使用料支払いを義務付ける法案を可決した。こうした法律は世界初で、他国にもIT大手の影響力抑制を図る取り組みが広がる可能性がある。

 フライデンバーグ豪財務相は「報道機関がコンテンツ作成に対して公平に報われることを確実にするものだ。この法律は意義あるミクロ経済改革であり、世界中が豪議会に注目していた」との声明を発表した。豪財務省は1年以内に、新法が目的通り機能しているか審査する。

 アルファベット傘下のグーグルは法案が修正されずに成立すれば、豪州での検索サービスを閉鎖する可能性があると警告。FBは豪国内プラットフォーム上でニュースの共有を制限するなど、それぞれ法案に抗議する姿勢を見せたが、逆にモリソン政権の反発を招く結果となった。

 FBのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が11時間に及ぶ協議を行うなど両社は豪政府との間でぎりぎりの調整を続け、法案修正に合意。FBはニュースコンテンツの共有を元に戻すと表明した。

 グーグルとFBは、どの商取引を追求するかを自由に決めることができるとする譲歩を豪政府から引き出した。また、両社が豪国内の報道業界に十分な対価を支払ったと豪政府が判断する場合、両社は同法の指定を受けない。仮に政府が同法の規定を適用すると判断した場合、両社には1カ月前に通知され、最後の手段として仲裁人が支払額を決める前にメディア企業との合意を探る交渉の機会も与えられる。

 豪スウィンバーン工科大学(メルボルン)のベリンダ・バーネット上級講師(メディア)は「グーグルとFBは、同法によって最悪の措置が講じられる事態をひとまず避けられたかもしれないが、窮地を脱したわけではない。同法が規定したインフラ環境は整っている。恐らく両社の行動に作用するだろう」と指摘した。

 FBは世界の報道業界を支援するため今後3年間に少なくとも10億ドル(約1060億円)を支払うと表明した。一方、グーグルは独自に、米ニューズ・コーポレーションなどの報道機関と相次ぎニュースの対価支払いで契約を結んでいる。(ブルームバーグ Angus Whitley、Jason Scott)

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