海外情勢

米、国挙げて半導体確保 同盟国との協力模索

 バイデン米大統領は24日、重要鉱物・戦略物資のサプライチェーン(供給網)強化に向けた検証を行うよう指示する大統領令に署名した。供給不足で自動車工場の操業停止の原因となった半導体のほか、レアアース(希土類)、大容量バッテリー、医薬品などの安定供給を図る。重要製品の国産化を推進するほか、同盟国との生産協力も模索する。

 大統領はホワイトハウスで、「われわれはサプライチェーンを安定かつ信頼し得るものに確実にする必要がある」と発言。「政権高官に対し、産業界リーダーと力を合わせて、この半導体不足の解決策を見いだすよう指示している」と説明した。

 直ちに解消できず

 一方で、半導体不足は直ちに解消できる問題ではないとの認識も示した。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた米経済の立て直しを目指す中、世界的な半導体不足は成長を阻害する恐れがあり、この問題の緊急性は高まっている。

 署名された大統領令は、米国が重要物資の調達で中国など非同盟国に依存している状況の打開を図るものだが、中国も含め具体的な国の名指しはない。検証は100日間にわたり行う。

 大統領はまた、防衛、公衆衛生、通信技術、輸送、エネルギー、食品生産の分野についても1年以内に検証するよう指示した。今回の検証手法は米国防総省が定期的に実施している防衛産業基盤の検証を踏襲する見通しだ。

 これに先立ち、バイデン大統領は超党派議員グループとホワイトハウスで会談。半導体不足やサプライチェーン強化に向けた方策を協議した。議員グループは大統領の取り組みを支持。大統領は協議を定期開催する考えを示した。

 シューマー民主党上院院内総務は23日、上院の民主、共和両党指導部に対し、米国製半導体供給の拡充など製造・技術の分野で中国に対する競争力改善を目指す法案の策定を求めると表明。国防権限法に盛り込まれた制度を利用した緊急資金を活用する案などを示した。

 コロナ禍で需要増

 大統領の経済顧問トップであるディーズ国家経済会議(NEC)委員長は日本や欧州連合(EU)の当局による支援要請に続き世界的な半導体不足を解消するため先週、台湾に支援を要請している。

 半導体不足は新型コロナウイルス禍が主因だ。新型コロナの流行に伴う外出自粛は半導体メーカーの予想を上回る水準にまで需要を押し上げ、ロックダウン(都市封鎖)下でノートパソコンや家庭内ネットワーク機器などの製品の売り上げが増加した。

 半導体業界は政府が早期成立を目指す追加経済対策に、米国内での投資や研究を促進するための減税や財政的なインセンティブを盛り込むよう大統領に求めているが、同案の議会の通過には数カ月かかるとみられている。

 政権高官によると、バイデン政権は現在の半導体不足に加え、昨年米国が悩まされた個人用防護具の不足から教訓を引き出すとみられている。今回の大統領令は米国が将来の危機が発生する前に対処できるようにする狙いが込められている。

 ホワイトハウスによると、今回の大統領令は4年ごとにそれぞれの分野のサプライチェーンを見直すとともに、企業、研究機関、州や地方自治体などとも協議するよう指示したという。(ブルームバーグ Jenny Leonard、Jennifer Jacobs)

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