【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO、本部・ジュネーブ)などは2日、新型コロナウイルスのワクチンを共同購入して途上国にも分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」を通じ、5月末までに英製薬大手アストラゼネカなどが開発したワクチン2億3700万回分を142カ国・地域に供給する計画を発表した。
COVAXは、WHOのほか、途上国へのワクチン普及を目指す国際組織「Gaviワクチンアライアンス」などが共同で設立した枠組み。
WHOなどはこれまで、COVAXを通じてアストラゼネカのワクチンを6月末までに3億3600万回分供給すると表明していたが、今回はより短い期間での供給計画を明らかにした。
WHOによると、5月末までの供給先はアフリカなどの途上国が中心で、ガーナなどにすでに出荷している。新型コロナの感染者は一人もいないと主張している北朝鮮にも約170万回分供給するという。
アストラゼネカ製のワクチンは安価な上、2~8度の温度で保管が可能なため、一般の冷蔵庫でも対応できるのが特徴。設備の乏しい途上国を含めたワクチンの普及に期待がかかる。