世界的に半導体不足が深刻化する中、韓国最大級の半導体メーカーと自動車メーカーが半導体不足解消に向けたコンソーシアム(企業連合)発足に向け動き出した。新会社を共同で設立し、車載半導体の不足に対応するほか、拡大する次世代電気自動車(EV)の需要取り込みを狙う考えだ。
韓国産業通商資源省は4日までに、世界最大級の半導体メーカーであるサムスン電子とSKハイニックスの幹部が、現代自動車と傘下の部品メーカーである現代モービスの幹部と協議すると明らかにした。
半導体の供給不足を緩和するため、政府支援のコンソーシアム設立を検討。各業界団体の代表も参加すると説明した。
韓国はコンピューターやスマートフォンに使用されるメモリーチップの生産で世界をリードする一方、車載用マイクロコントローラーは海外メーカーからの供給に大きく依存している。
今回のコンソーシアムの発足は韓国も世界の自動車メーカーを悩ませている半導体の需給逼迫(ひっぱく)の影響から免れていない現状を浮き彫りにしている。コンソーシアム設立により、突出したメモリーチップの生産能力を自動車分野にも広げる狙いがあるとみられる。
各社は半導体の供給不足を緩和するための迅速な対策と、車載半導体の需要拡大を取り込むための長期的な計画について議論。対策には研究開発への政府支援が含まれる可能性がある。
産業通商資源省によると、韓国は2月中旬以来、車載半導体輸入の通関を迅速化。書類手続きを最小限に抑えるとともに、現地の自動車メーカーに24時間の通関サポートを提供しているという。(ブルームバーグ Sam Kim)