海外情勢

米連邦債務の利払い費縮小 国債借り換えで対GDP比1.6%

 このところの米国債利回りの上昇に金融市場が不安を募らせる一方で、イエレン財務長官が動じる様子はない。長官自身が重視する債務負担の指標が懸念を和らげる方向にあるためだ。

 昨年の連邦債務の利払い費は3450億ドル(約37兆6400億円)で、対国内総生産(GDP)比では1.6%に縮小した。新型コロナウイルス禍に対応する一連の経済対策や、米国債相場の下落で10年債利回りが約1年ぶりの水準に上昇した状況にもかかわらず、対GDP比で見た利払い費は2021年に一段と減る方向にある。

 借り入れコストがもっと高かった時期の国債の借り換えを財務省が進めていることが、こうした情勢の背景にある。ブルームバーグ・インテリジェンスの試算では、米国債利回りが全年限の平均で現行水準を大きく上回る2.5%程度に上昇しない限り、トレンドが逆転することはなく、この水準に達したとしても、利払い費は近年の数値を優に下回る。1兆9000億ドルに上る追加経済対策の成立にこぎ着けたばかりのバイデン政権が、インフラ整備と産業支援にさらに数兆ドル規模の支出を計画し、一部を借り入れに頼らなければならないとしても心配していないのはこうした理由のためだ。

 度重なるコロナ対策の公共支出によって、連邦債務残高は対GDP比で既に第二次世界大戦後の記録を更新している。新型コロナワクチンの接種進展で個人消費が回復し、経済成長率とインフレ率が加速するとの期待から、米10年債利回りは昨年11月の2倍ほどの水準に上昇し、新規の借り入れコストも跳ね上がっている。

 しかしイエレン長官は14日、ABCの番組「ジス・ウィーク」で、支出の余地がどの程度残されているかを把握する最善の指針は政府の利払い費のサイズだと指摘。債務残高は07年の2倍余りに増えたものの、経済全体と比較した利払い費は当時ほど多くないと説明した。(ブルームバーグ Liz McCormick、Alexandre Tanzi)

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