海外情勢

財務長官・FRB議長が議会証言へ 米インフレ懸念への回答は

 米バイデン政権が新型コロナウイルス禍からの経済再生を目指した大規模な財政出動を急ぐ中、イエレン財務長官とパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が23日(日本時間24日)から2日間の日程で上下両院での公聴会に臨む。大規模な経済対策が物価や財政面に悪影響を及ぼしかねないとの懸念も浮上しており、経済対策をめぐる与野党の駆け引きが活発化する。

 昨年3月に成立したコロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES法)で義務付けられている四半期に1度の証言で、両氏ともインフレ懸念に関する質問を受ける見通しだ。超緩和的な財政・金融政策が消費者物価を急激に押し上げかねないとの批判がある上、今年に入り長期金利が上昇していることもこの懸念を増幅した。

 1兆9000億ドル(約207兆円)の追加経済対策法が成立して2週間弱が経過したが、これに続きバイデン政権は最大3兆ドル規模の新たな長期経済対策を検討しており、これらの対策による影響が焦点になる。

 イエレン長官は、経済見通しの改善と追加景気対策で劇的に拡大した家計支援を強調するだけでなく、一部の財源を増税で賄う追加歳出の必要性をアピールするとみられる。政府は長期の経済対策に取り組んでおり、民主党は党として優先度の高い政策課題についてパウエル、イエレン両氏に説明を求め、この公聴会を利用して、優先課題を対策に盛り込む正当性を主張する見通し。

 これに対し共和党は、既に経済が回復過程に入っている中で急進左派的な政策課題のために債務を積み上げるとして、民主党を追及する見通しだ。急激なインフレ高進を引き起こすリスクがあるというのが攻撃材料だ。パウエル議長は政治的な議論の応酬に踏み込むことは避けつつ、景気回復が十分に進むまで金融政策を引き締めることはないと、これまでの公約を繰り返すとみられる。

 UBSの米国担当チーフエコノミストを務めるセス・カーペンター氏は「赤字と債務の持続可能性について、多くの質問が出るだろう。米国が再び赤字と債務という大きな問題に悩まされるのではないかという問いだ」と述べた。

 バイデン政権が大手銀行の監督強化に関心を示していることから、この点についても質問が予想される。(ブルームバーグ Christopher Condon)

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