海外情勢

スエズ巨大船の離礁に成功 航行再開・待機450隻の通過不透明

 国際海上交通の要衝、エジプト北東部のスエズ運河で座礁していた巨大コンテナ船「エバーギブン」の離礁作業にサルベージ(引き揚げ)チームが成功した。海運代理店インチケープ・シッピング・サービシズが明らかにした。同船は離礁したものの、航行再開がいつになるかや、現在、開通に向け待機している450隻余りが全て通過するまでどのくらいの時間を要するかはまだ不透明。

 同チームに加わっているサルベージ会社ボスカリスのペーテル・ベルドフスキ最高経営責任者(CEO)は先に、「今後24時間が重要になる」とした上で、現地時間29日午前4時から同5時(日本時間午前11時から正午)に緊張の瞬間を迎えると予想していた。ブルームバーグがまとめたデータによると、ロンドン時間28日夜の段階では453隻が待機。座礁直後の100隻前後から増えていた。

 スエズ運河遮断で、新型コロナウイルス流行に伴う電子商取引(EC)ブームによって既に負荷が高まっている世界のサプライチェーン(供給網)がさらに打撃を受けた。APモラー・マースクなど海運会社は船舶を迂回(うかい)させている。通常は世界の海運貨物の12%がスエズ運河を経由する。ムーディーズ・インベスターズ・サービスのダニエル・ハーリッド氏らアナリストは、世界的なコンテナ船の需給逼迫(ひっぱく)などでサプライチェーンは外的ショックに対して脆弱(ぜいじゃく)になっているとして、座礁事故の「タイミングは最悪」だと指摘している。

 また、エバーギブンの積み荷にかけられている保険の請求額は数百万ドルに上る可能性がある。海運業界や商品事業などあらゆる当事者からの請求が見込まれる。(ブルームバーグ Salma El Wardany、Mirette Magdy)

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