海外情勢

インドが非中東原油の輸入急増 OPECプラス減産に対抗、調達多角化

 インドの石油精製企業が非中東諸国からの原油輸入を急増させている。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」による協調減産に対抗し、インド政府が精製企業に輸入元の多角化を強く勧めていることが背景にある。

 原油輸入量で世界第3位のインドでは、製油所が新たな原油グレードの取り扱いを開始すると同時に、米国からの輸入を増やし、これまで依存してきた中東からの輸入を減らしている。印国営製油ヒンドゥスタン石油とシンガポールのミタル・エナジー・インベストメンツの合弁事業、HPCL-ミタル・エナジーが、南米ガイアナからインドに初輸入したほか、印マンガロール石油精製化学がブラジルのトゥピ油田から初めて原油を購入した。

 エネルギー需要が拡大するインドにとり、原油調達元の多角化は避けられない事情もあるが、原油価格が高騰していた3月にOPECプラスが減産延長を決定しインド政府の怒りを買ったことが背景にある。価格高騰は、新型コロナウイルスの感染拡大で深手を負う経済への重しになり、原油需要の約90%を輸入に頼るインドは、今年に入り記録的高騰に悩まされてきた。

 原油調達元を多角化する政府方針を反映した貨物船の動きも見え始めている。エネルギー・データ会社クプラーによると、シンガポール独立系商社、トラフィグラ・グループがチャーターした貨物船が、ガイアナのリザ原油100万バレルを積載し、インド西岸のムンドラ港に8日に到着する。また、政府データによると、1月の米国産原油の購入は前年同月比で2倍を超えた。

 インドの製油所はほぼ全種類の原油の精製が可能なため、供給元の大胆な選択が可能だ。シンガポールのバンダインサイツ創業者、バンダナ・ハリ氏は「インドの精製企業は近年、多種の原油を取り扱うことに非常に前向きだ。調達元の多角化を継続して進める政府方針が賛同を得ていることに加え、商業上の利益面を鑑みても多角化の動きは今後も進む」と指摘する。(ブルームバーグ Debjit Chakraborty)

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