海外情勢

東南アジア各国で感染拡大 デルタ株流行、ワクチン接種進まず

 【シンガポール=森浩】インドネシアなど東南アジア各国で新型コロナウイルスの感染が急拡大している。感染力が強いインド型変異株(デルタ株)が広がり、地域医療を圧迫。各地で医療崩壊に至る危険性が指摘されている。各国は感染拡大防止の切り札としてワクチン接種を進めたい考えだが、供給不足もあって思うように進んでいないのが現状だ。

 インドネシアは6月上旬から感染者が急増し、最大時には1日当たりの新規感染者は5万人を超え、累計感染者は300万人に迫る勢いだ。今月19日には1日として過去最多の1338人が死亡した。

 特に首都ジャカルタを抱えるジャワ島の感染状況が深刻で、医療用酸素の需要は感染拡大前の5倍に急増。ジャカルタでは病床の使用率が90%を超える病院が相次ぎ、入院できなかった患者が車内で息を引き取るケースが報告されている。検査体制が未熟で、実際の感染者はさらに多いとみられている。

 20日はイスラム教の犠牲祭の祝日だったが、一部のモスク(イスラム教礼拝所)で感染防止対策として禁止された集団礼拝を行う様子も見られ、当局は規制の順守を呼びかけている。

 タイでは19日、1万1784人の新規感染が確認され、1日当たりの過去最多を更新。累計では40万人以上が感染した。マレーシアでも感染拡大が続き、18日発表の新規感染者は1万710人。1万人台は6日連続で、累計感染者は91万人を超えた。

 各国ではワクチン普及が伸び悩んでおり、インドネシアとタイでは接種が完了した国民は5%程度。両国とも中国製薬大手・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチンの普及を進めてきたが、デルタ株への効果に疑念が上がっており、接種計画の見直しを迫られている。

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