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「電気代は2030年まで毎年必ず高くなる」毎月こっそり徴収される“隠れ税金”の正体 (1/2ページ)

 電気料金の明細に「再エネ賦課金」という見慣れない項目があるのをご存じだろうか。「EnergyShift」発行人の前田雄大さんは「電気代は基本料金のほか、『再エネ賦課金』が徴収されている。平均的な家庭では月1300円程度だが、これは2030年まで上がり続けることが決まっており、家計の圧迫は避けられない」という--。

 ■省エネをしても電気代が安くならないワケ

 夏真っ盛りのこのシーズン。連日のように30度以上の真夏日が続き、寝苦しいと感じる夜も増えた。そこで欠かせないのがエアコンの冷房だが、後日、電気代の請求額に驚き、もう少し省エネしておけばよかったと後悔することも多いだろう。

 どうせ電気代を支払うなら安く済ませたいが、実際は省エネだけではなかなか難しい。原因の一つは、電気料金に上乗せされた“ある料金”の存在が挙げられる。

 それが再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)だ。

 私たちが支払っている月々の電気代には、電力会社に支払う電気料金の他に、この再エネ賦課金が含まれている。電気明細を見るとしっかりこのように書いてある

 この再エネ賦課金は、消費者がどの電力会社と契約していようとも、一部の大量電気消費している企業の特例を除き必ず支払う必要がある。

 2021年度の単価は1kWhあたり3.36円。契約者数が最も多い東京電力の従量電灯Bプラン(120kWh~300kWh)の単価が26円台であるため、10%以上もこの再エネ賦課金が電気料金に上乗せになっているのだ。

 一般的に、4人世帯の電力消費は月平均400kWhと言われている。その条件だと電気料金に上乗せされる形で、各家庭は月1300円程度、年間約1万5000円を負担している。

 ■再生可能エネルギー発電促進賦課金とは何か

 そもそも再エネ賦課金とは何なのか。この問いに対して簡単に答えるならば、日本で導入された再生可能エネルギーに対する「国民の負担金」という表現が一番シンプルだろう。

 この制度は、2012年に始まった再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)を抜きには語れない。この制度は、再エネの導入促進を目的として導入されたが、そもそも当時は再エネが容易に普及するような状況にはなかった。

 そこで政府は再エネを導入・促進する目的で再エネで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度を設計した。いわゆる政府保証だ。民間事業者にとって投資回収ができるめどが立つなどの予見性の提示が必要であり、政府が民間事業者の参入を促すためにインセンティブを設け、目的を達成しようとした。

 ただ、政府が保証をするにしても、その買取保証の原資が必要となる。

 そこで電力会社が買い取る費用の一部を、賦課金という形で国民(電気の利用者)から広く徴取する形が採用された。それが再エネ賦課金である。

 したがって利用者が再エネ推進を好む、好まざる関係なく、基本的に一律に、利用者へ賦課金がかけられる格好となった。

 ■再エネ普及の一方で、“難あり”の制度に

 電力事業は大規模なインフラ建設を伴い、再エネにかかわらず初期投資には大金が必要になる。電力会社は、発電・送電などの電気に関連するコストを電気料金に上乗せし、国民に転嫁するという手法を採っていた。これがかつて採用されていた総括原価方式だ。

 したがって、いま稼働をしている火力発電や原子力発電のコストも電気代に反映をされてきた。この点を踏まえれば、再エネの発電所建設コストが再エネ賦課金として国民負担になること自体はおかしな話ではない。

 問題なのは制度設計だ。そもそも民間事業者の参入を呼び込み、再エネの導入・促進を図るために固定価格買取制度の買取単価が非常に高く設定をされ、国民の負担は大きくなった。

 例えば産業用の太陽光からの買取単価は初年度は1kWhあたり40円。現在家庭が使用している電力単価は高いレンジであっても30円強であることを考えれば、採算性を無視して再エネの導入が図られたことが分かる。

 新しいことを導入する時にはコストは付き物だと考えることもできるし、この制度の下で再エネ自体のボリュームが増えたのも事実だ。これを「功」とするならば、一方で結果論かもしれないが、高く設定された買取価格によって「罪」の部分も現れた。

 ■“高価買取”の功罪……制度が生み出したひずみ

 再エネ参入事業者の利益が保証されたため生じたひずみがある。

 国産の太陽光パネル生産が好例だろう。2000年代中盤には世界シェア4割超で世界1位に君臨していたが、今では1%台まで落ち込んでいる。コスト削減の企業努力が進まなくなった結果、メーカーも含めてイノベーションが起きにくい土壌となってしまった。

 脱炭素時代の本格到来となったこの2020年代において、世界に誇った“日の丸ソーラー”は世界でまったく勝負できないセクターとなってしまった。

 再エネのために豊かな自然が犠牲になるという本末転倒な現象も生じた。山林を切り崩して大規模な太陽光発電施設を造成する事例あった。高価格での買取保証ゆえに、それでも事業者は利益が期待できたからだ。

 地元との軋轢を生むケースが出てきたのも、固定価格買取制度が始まった当初の特色と言えよう。

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