海外情勢

北朝鮮、韓国・文大統領の終戦宣言提案を一蹴 「虚像に過ぎず」

 【ソウル=時吉達也】北朝鮮のリ・テソン外務次官は24日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連演説で提案した朝鮮戦争(1950~53年)当事者による終戦宣言について「米国による敵対視政策が残る限り、虚像に過ぎない」と一蹴する談話を発表した。朝鮮中央通信が同日報じた。

 談話は、米国が「われわれの正当な国防力強化措置を『挑発』とののしり、米国と追従勢力の軍備増強は『抑止力確保』と美化する二重基準」を設けていると批判。米国の対北敵視政策が「朝鮮半島で生じるすべての問題の根底にある」として撤回を求めた上で、「紙切れに過ぎない終戦宣言」が米国の政策転換につながる「担保はどこにもない」と主張した。

 一方、終戦宣言が「一度は考慮すべき問題であることは明らかだ」とも述べ、交渉に応じる余地を残した。

 韓国の文大統領は米東部時間21日(日本時間22日)、国連総会の一般討論演説で、南北と米国の3カ国、または中国を加えた4カ国で終戦を宣言するよう提案。米国防総省報道官は「終戦宣言の可能性に対する議論は開かれている」との立場を示していた。

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