フィリピン、海賊版との戦い続く 押収額813億円、8割が中国製

2013.7.25 07:00

 フィリピン政府が海賊版製品との戦いを続けている。同国知的財産局によると、2005年以降の同国内の海賊版製品押収額は今年、累計で352億ペソ(約813億円)を突破した。

 同局幹部は「海賊版製品の横行は権利者のみならず、政府にも損失を与えている」と述べ、今後も撲滅に向けた取り組みを続ける意向を示している。現地紙インクワイアラーなどが報じた。

 同国内で流通する海賊版製品で最も多いのはルイ・ヴィトンやグッチなどのブランド製品で全体の4割を占め、以下、携帯電話などの電機製品、映画・音楽などのCD・DVDソフトと続く。

 国内で製造されるものは30%程度で、70%は国外からの流入品。うち8割が中国で製造されているという。

 押収額は11年に過去最高の84億ペソを記録して以降、12年は53億ペソ、13年は1~5月で16億ペソと減少傾向にある。

 知的財産局は押収効果で販売店舗などが減少しているためと分析するが、一方でオンライン取引が増加するなど手口が巧妙化していることも認めている。

 幹部は厳罰化も検討中としたうえで、「各部局の連携が重要になっており、政府が一体となった取り組みが必要だ」との認識を示した。

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