マレーシア、大量高速交通システム建設順調 年末までに30%完成

2013.11.26 06:36

 マレーシアで総額230億リンギット(約7274億9000万円)の大量高速交通システム(MRT)計画が進行中だ。現在はクアラルンプールを含むクランバレー首都圏に地下鉄9.5キロメートルを含む総延長51キロメートルの都市鉄道1号線を建設中で、完成後は1日当たり40万人の利用者を見込んでいる。現地英字紙スターなどが報じた。

 計画を統括するマレーシアのMRTコーポレーションによると、1号線は現在までに総延長の28.6%の工事が完了したもよう。

 同社のアズハル最高経営責任者(CEO)はここまでに投じた費用の総額は40億リンギットだったとし、年末までに30%を完成させると明言した。同計画では、スンガイブロー-スマンタン間は2016年末まで、スマンタン-カジャン間は17年7月末までに運行を開始する予定だ。

 アズハルCEOは「現在までに高架部分の20%をはじめとしてトンネル部分が18%、地下駅が40%、信号や料金徴収システムなど各種設備の20%が完成している」と述べ、予定通りの開業が実現できるとの見解を示した。

 1号線建設事業の86件の入札案件のうち、68件はすでに手続きを終えて発注が完了しており、三菱重工が線路など設備一式の設計と工事を約8億5500万リンギットで受注するなど、日本勢も参加した。

 MRTコーポレーションは残りの18件、20億リンギット分も順次入札を進めていく方針だ。

 マレーシア政府の鉄道整備計画では20年までに2号線、3号線を整備する予定。アズハルCEOは両路線の建設については明言を避けているが、財務省幹部は「土地収用などの交渉が必要だが、計画通りに進めたいと考えている」と述べ、建設に前向きな姿勢を示している。(シンガポール支局)

閉じる