深刻な中国の大気汚染 北京の世界陸上開催は大丈夫なのか?

2014.10.29 19:53

 このままでは代表辞退者も出かねない…。陸上の世界選手権は来年8月、北京で開催される。200カ国以上の国・地域から2000人前後の選手が参加する2年に1度の大イベント。もちろん日本勢にとっても重要な大会だ。

 2016年リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ね、男女マラソンでは入賞した日本人最上位者をリオ五輪代表に内定するほか、トラック種目でも代表選考会としての格付けが高い。ところが、とても世界最高峰の大会を開催する状況にないのが現状だ。

 19日に開催された北京国際マラソンは、今年最悪レベルの大気汚染に襲われ、微小粒子状物質「PM2・5」を含む汚染指数は最悪基準(危険)である300を超す400台に。市内はスモッグに覆われた。数百メートル先のビルすらかすみ、健康被害を憂慮して参加を取りやめるランナーも続出し、マスク姿のランナーも目立った。

 昨年開催された世界選手権モスクワ大会期間中、北京の関係者は大会開催計画や深刻な大気汚染への対策などを説明。大気汚染について「時々問題は起きているが、政府も注意を払い、対策に取り組んでいる。2015年までに状況が改善されていることを望んでいる」としたが、状況は改善されているとはいえない。

 このまま改善されなければ、翌年にリオ五輪を控えた大切な時期に、果たしてどれだけのトップ選手が北京へ参戦するだろうか。また、日本でも男女マラソンの世界選手権代表国内選考会が始まるが、あの北京の大気汚染状況を見て尻込みする選手も出かねない…。

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