株価に明暗 東芝、シャープの株価は1年で半減 訪日客銘柄には8割上昇も

2015.12.30 19:51

 平成27年は大企業の不祥事が相次ぎ、発覚後に株価が下落した銘柄が目立った。経営不振の企業にも株式市場から厳しい目が向けられた。不正会計問題が経営を揺るがす事態に発展した東芝や、経営再建が進まないシャープの株価は、26年末の終値に比べて半減した。

 東芝の株価は3月25日に年初来高値の535円をつけたが、不正会計問題の表面化を受けて投資家の売りが加速。多額のリストラ費用などが負担となり、28年3月期の連結最終損益が過去最悪の赤字に陥る見通しとなったことなどが嫌気され、12月28日には214円30銭に低迷。30日の終値は249円90銭と、26年末と比べて51%も下落した。

 業績低迷が続いているシャープも、経営再建への不透明感が漂う中で、春以降は株価が下げ基調を強めた。30日の終値は125円と、4月の年初来高値から57%下落し、26年末と比べても53%の下落となった。

 子会社によるくい打ちデータの偽装問題が発覚し波紋を広げた旭化成も、30日の終値は822円90銭と、26年末を26%下回った。

 一方、中国人観光客の「爆買い」にみられる訪日外国人客の消費拡大は、小売りなど関連銘柄の株価に追い風となった。ドラッグストアのマツモトキヨシホールディングスの株価は1年で約1.8倍になった。

閉じる