東京市場 予断許さず、各国政策対応焦点

2016.3.3 05:00

 株式相場や為替相場は年初から、海外要因に左右される形で動揺が続いたが、足元では落ち着きを取り戻しつつある。2日の東京市場は複数の好材料が追い風となる「ベストシナリオ」(大手証券)を背景に株高と円安が進んだ。米国では、投資家の不安心理を映し出すとされる「VIX指数」が1日、昨年12月30日以来の水準まで低下。1日の欧米市場に続き、2日はアジア市場でも株価が上昇し、株高が世界的に波及した。

 「少なくとも年初からの最悪期は脱した」(SBI証券の鈴木英之投資調査部長)との声もある中、市場混乱の“震源地”とされている中国をめぐっては、1日発表の製造業購買担当者指数が悪化するなど、先行き警戒感がくすぶる。原油先物相場も中長期的には安値懸念が消えていない。

 三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「5日開幕の中国の全国人民代表大会(全人代)や、欧州や日本、米国の金融政策決定会合といった当面の重要イベントを無難に通過できるかどうかが、株式相場や為替相場の鍵を握る」と語り、主要国の政策対応が焦点になるとの見方を示した。(森田晶宏)

閉じる