香港格付け見通し「弱含み」に引き下げ 米ムーディーズ「中国の政治介入がマイナス要因」

2016.3.12 17:43

 【上海=河崎真澄】米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは12日、香港の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。格付けは最上位から2番目の「Aa1」に据え置いたが、格付け引き下げも視野に入れている。

 ムーディーズは、1日に中国の格付け見通しを同じく「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたばかり。「政治や経済、金融で中国本土と深く結び付いており、香港の信用度は今後も中国の後を追う」と説明し、中国経済に大きく左右される香港に対しても一段と慎重な見方を示した。

 今後の方向性については「中国本土との政治的な結び付きの強まりが香港の制度的な長所を圧迫する」と懸念。中国からの政治的介入が、規制の少ない自由な市場環境で発展してきた香港のマイナス要因になるとの見方を示した。

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