配偶者控除、夫の年収1220万円から適用外 政府・与党が所得制限検討

2016.11.26 06:41

 政府・与党が配偶者控除の見直しで、税収減を避けるために設ける夫の所得制限について、年収が「1120万円」を超えると徐々に控除の額を減らし、「1220万円」で控除をなくす方向で調整していることが25日、分かった。高所得者の世帯の手取りが急減しないよう配慮する。

 配偶者控除は、パート主婦らの年収が103万円以下であれば、夫の所得から38万円を減らし、税負担を軽減することができる仕組み。政府・与党は妻の年収要件を103万円以下から「150万円以下」に引き上げる方向で最終調整している。

 その場合、パートの妻がいる世帯を中心に300万世帯強に控除の対象が広がるため、その分の税収が落ち込むのを防ぐには高所得の世帯を控除の対象から外す所得制限が必要になる。

 政府・与党は、徐々に控除額が減っていく形の所得制限を検討している。具体的には、夫の年収が1120万円以下までは38万円の控除を受けられるが、1120万円超からは段階的に控除額が減っていき、1220万円になるとゼロになる仕組みだ。

 一定の年収を境に全ての控除を一気に適用外にすると、世帯の手取額が急に減ってしまうための措置だが、与党内には制度の複雑化を懸念し、年収1120万円を超える世帯を全て対象から外すべきだとの意見もある。

 自民、公明両党は25日に与党税制協議会を開催し配偶者控除見直しについて調整を進めた。12月8日に2017年度税制改正大綱をまとめる方向だ。

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