政府税調、控除制度の見直しなど議論

2017.10.24 06:05

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は23日、総会を開き、会社員の年収に応じて所得から引かれている「給与所得控除」の見直しなどについて議論した。働き方が多様化する中、会社に属さずに働く人との公平性の観点から、控除制度を見直すべきだとの提案が出された。

 同控除は、スーツ購入代など勤務に必要な支出を経費と見なし、会社員の所得税を差し引く制度。ただ、他の先進国に比べ、会社員への控除額が手厚すぎるとの指摘や、同様の仕事をしながら同控除が適用されない個人事業者らとの不公平感が問題視されていた。総会では、高所得者を中心に控除を縮小し、会社員に属さない労働者も控除を受けられるような制度の見直しが提案された。

 会合では、所得から一定額を差し引いて税負担を抑える「所得控除」の見直しについても議論。低所得者に配慮した「税額控除」などの方式が示された。また、公的年金に対する控除については年金以外で高い所得のある高齢者に対しては控除を縮小すべきだとの提案もあった。

 このほか、モノやサービスを有料で貸し借りして使う「シェアリングエコノミー(共有型経済)」をめぐる課税漏れについても話し合われ、貸し出しや売買を仲介する事業者が海外にある場合の課税方法や情報把握などの問題点が提示された。

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