「世界経済や日本経済の動向を注視したい」米国株急落で麻生太郎財務相兼金融担当相

2018.2.9 10:58

 麻生太郎財務相兼金融担当相は9日の閣議後会見で、米国株式市場が再び急落したことについて、「やたら(株価の上下)幅が大きいが、(株価は)さまざまな要因で決まるので、コメントは差し控えたい」とした上で、「金融市場の動向を含めて世界経済や日本経済の動向を引き続き注視したい」と述べた。

 麻生氏は、「世界経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は悪くない。企業収益も過去最高で、雇用やその他の色々な状況も改善しており、経済状況に好循環が生まれているのは確かだ」との認識を強調した。

 また、麻生氏は、約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が取引所大手コインチェック(東京)から流出したことを受け、同社以外の複数社の取引所に対し立ち入り検査を実施したことを明かした。

 金融庁はコインチェック以外の31社に対し、顧客資産管理などについて2日を期限に説明を求める報告徴求命令を出していた。麻生氏は「報告内容を検査、分析した結果を踏まえ、システムリスク管理など内部管理態勢の検証のために立ち入り検査に着手した」と説明した。

 自身が財務相としての在任期間が12日で戦後最長となる見通しになったことについて聞かれると、「長くやればよいものでもない」と述べるにとどめた。

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