英、1月にEU離脱へ 保守党365議席、単独過半数

2019.12.14 00:12

 【ロンドン=板東和正】英国の欧州連合(EU)離脱が主な争点となった英下院(定数650)総選挙は12日に投開票され、早期離脱を訴えたジョンソン首相の与党、保守党が過半数を獲得し大勝した。ジョンソン氏は13日、有権者に約束したEU離脱について「予定通り来年1月末までに離脱する。言い訳はしない」と述べ、公約実現に自信を示した。17日にも議会の審議を再開し、離脱に向けた議会手続きを進める。

 英メディアによると、13日午後3時(日本時間14日午前0時)までに全議席が確定した。

 保守党は改選前の298から大幅に増やし単独過半数となる365を確保した。離脱の是非を問う国民投票の再実施を掲げた最大野党の労働党は243から203へと大きく減少した。ともに残留を主張していた地域政党「スコットランド民族党(SNP)」は35から48へ伸ばし、野党「自由民主党」は21から11に減らした。

 保守党としてはサッチャー政権下の1987年の総選挙以来となる大勝利を収めたジョンソン氏は、「国民から新たな負託を得た」と勝利宣言した。過半数の議席を得たことで、何度も失敗してきた離脱協定案の議会承認を得られる公算となった。

 一方、大敗した労働党のコービン党首は、次の選挙までに党首を辞任する意向を表明した。選挙戦で労働党は、離脱問題に関して「残留」「離脱」を明確にしなかった。離脱判断を有権者に委ねる「事実上の国民投票」とも指摘された総選挙で見せた同党のあいまいな対応に、有権者が離れていったとみられる。

 メイ前政権の2017年に行われた前回の総選挙では、保守党は単独過半数を獲得できず、北アイルランド民主統一党(DUP)の閣外協力で政権を維持した。しかし、DUPがアイルランドの国境管理問題でメイ前首相の離脱協定案に反発。メイ氏は協定案可決に3度も失敗した。

 ジョンソン氏は今回、下院の過半数を得て離脱問題を前進させることを狙い、総選挙に踏み切った。

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