ダウンロード違法絞り込み 著作法改正案 3月にも閣議決定

2020.2.7 06:03

 政府が漫画などの海賊版サイト対策として通常国会への提出を目指す著作権法改正案の概要が6日、分かった。インターネット上に無断掲載された著作物と知りつつダウンロードする行為を違法化し、悪質なら刑事罰を科す一方、有識者や与党要望を踏まえ、違法化の対象は絞り込んだ。海賊版サイトに利用者を誘導するリーチサイトも規制する。

 3月にも閣議決定し、今国会での成立を図る。施行日は2021年1月1日の予定だが、リーチサイト規制は今年10月1日に前倒しする。

 改正案は、これまで映像と音楽に限定していたダウンロード規制を全ての著作物に拡大。継続・反復するなど悪質なケースには2年以下の懲役か200万円以下の罰金、またはその両方を科す。

 文化庁有識者検討会の報告を踏まえ、数十ページの漫画の1こまといった一部にとどまるものや、パロディー作品など2次創作物のダウンロードは規制の対象外。

 また与党要望に沿い、著作権者の利益を不当に侵害しない「特別な事情」があれば違法としないことも盛り込んだ。

 このほか、ネットに無断掲載された画像がスマートフォンなどのスクリーンショット(画面保存)に写り込んだ場合も、違法とはならないと明記した。

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