全銀協、送金システムをスマホ決済事業者などにも開放 令和4年度中

2021.1.14 18:35

 全国銀行協会は14日、現在は銀行など預金を取り扱う金融機関だけが参加している送金仲介システムに関して、スマートフォンなどを使ったキャッシュレス決済事業者などにも令和4年度中をめどに開放する方針を発表した。参加できるようになれば事業者の負担が減るため、利用者の手数料も下がる可能性がある。

 キャッシュレス事業者などに開放するのは、銀行間ネットワークシステム「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」。同システムに直接加入することで、これまで銀行に支払っていた手数料がなくなり、コスト削減になる。そうなればキャッシュレス事業者にとっては、飲食店など加盟店の口座に売上代金を送金する際の費用も下がり、加盟店側の手数料が下がることも期待される。

 全銀システムは昭和48年の導入以来、大きなシステム障害がなく、高い安全性を誇っている。同日の会見で全銀協の三毛兼承会長は「安定性を確保する観点から、モニタリング(監視)を受けることなどにより、加盟銀行と同一条件でシステムに参加することが必要だ」と強調した。

 一方、全銀協は同日、10万円以下の小口決済の利便性を向上させるため、三菱UFJ銀行など大手5銀行が4年度の早期に稼働を目指す決済インフラと、全銀システムを緊密に連携させる方針も明らかにした。銀行口座からキャッシュレス事業者に送金することなどを目指すという。また、次期全銀システムの更新も視野に入れる。

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