女性管理職7割超、なでしこ銘柄に トレンダーズ・黒川涼子取締役
更新黒川さんは高校生のときにファッションに目覚め、大学卒業後は迷わずにアパレル業界に足を踏み入れた。「より早く経営の中枢に近づきたい。それには当初から、店頭での販売ではなくて営業に携わることが必要」との考えから入社したのが、大手の婦人服メーカーだった。
◆転職通じ成長
女性社員を大切にし意見も通りやすい職場であったが、営業職の大半は男性。夜の10時以降に仕事をしていると「女性は早く帰りなさい」と注意されるため、上司が帰るまで隠れて再び始めるという時代だった。
仕事は順調だったが、「頑張った分だけ成果が見えるような働き方をしたい」という思いも芽生えていた。その過程で同社に在籍していた人材派遣会社の社員と接する機会があった。
アパレルの営業では、店舗スタッフの採用や社員のモチベーション管理も重要な仕事。人材サービスには興味がなかったが「これまでの経験が生きる」との話を聞き、転職を決める。
新しい会社の社長は女性で男女比率も半々。「女性だから」と優遇される職場ではなかった。ただ、30代女性はワークライフバランスや時短を有効に活用して働くケースが多かった。黒川さんが社会人になってからの一貫した思いは「経営の中軸の立場にいたい」。それを考えると「20代が最後の転職機会」といった焦りみたいなものが生じ、29歳のとき化粧品販売会社に異動した。

