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英EU離脱 日系自動車は生産を強化・継続 トヨタは約330億円投資

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英EU離脱 日系自動車は生産を強化・継続 トヨタは約330億円投資

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 英国が欧州連合(EU)離脱を正式に通告する29日が迫る中、日系自動車メーカーは相次いで英国での現地生産を強化・継続する方針を表明している。英政府の支援を受け、トヨタ自動車や日産自動車などが新規投資や新型車の生産を発表した。各社は引き換えに、自由貿易の確保などの注文を付け、英政府とEUの交渉を牽制している。

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 トヨタは今月、英バーナストン工場に2億4千万ポンド(約330億円)以上を新規投資すると発表した。クルマづくりの新手法「TNGA」の導入に伴う新規設備の費用に充てる。

 合わせて、英政府は同工場の人材育成などに2130万ポンド(約30億円)を補助すると表明。企業の競争力確保を後押しし、工場や雇用の流出を防ぐ狙いだ。

 ただ、バーナストン工場は2016年の生産約18万台のうち、約7割をEUに輸出した。トヨタの欧州統括会社のファンゼイル社長は投資表明とともに「今後の発展にはEU市場への自由なアクセスを保つことが不可欠だ」と注文した。

 日産は、7月に欧州で発売するスポーツ用多目的車(SUV)「キャシュカイ」の新型車を英サンダーランド工場で生産する。16年に同工場で約30万台を生産したキャシュカイは欧州での主力車。カルロス・ゴーン社長は「英政府の支援と公約を得られた」とし、次期モデルも英国生産を続けることを決定している。

 ホンダも昨年8月に、英スウィンドン工場から主力車「シビック」のハッチバックモデルの米国輸出を始めている。(会田聡)

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